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Z1100GPの始動できない、ヒューズ飛ぶ、諸々の原因が特定できました(^^)/
原因はこちらでした。
ウオタニSP2パワーコイル。
といっても、このコイルが壊れているわけでもなく、性能が悪いわけでもなく、ましてやウオタニさんのせいに
しているわけでもありません(笑
ただ、想定外に性能が良すぎた (@_@;)
ということが原因になっていました。
プラグのスパーク電圧というのは、IGコイルとイグナイターによって決まるわけですが
ウオタニさんのページによると、SP2パワーコイルはノーマルの2~3倍のスパーク電流、40000Vの電圧を
発生するとあります。
単純に直流抵抗をみても、ノーマルIGコイルは概ね3Ω程度に対してSP2パワーコイルは1Ωあるかないか
なので、3倍の電流を流せることになります。
そんだけの電流を流したのではノーマルイグナイターでは焼けてしまいますので、SP2パワーコイルを
付ける場合はSP2パワーアンプを介して接続し、ノーマルイグナイターに負担をかけないようにしているようです。
SP-TDCはというと、SP2パワーアンプなしで直接SP2パワーコイルを接続しても大丈夫な容量があるので
焼けることはありません・・・ 通常は・・・ 設計上は(^^ゞ
がしかし、SP2パワーコイルを使っても十分な容量があるにもかかわらず、実際はヒューズは飛ぶし
最悪SP-TDC内のMOS-FETが破損することがあります。
このZ1100GPもそういう状態です。
容量的に十分なはずなのになぜ?
ということで、今回、実際に色々と実験して原因を特定しました。
まずは↓こちらをご覧ください。
これは4番のプラグコードを抜き、マフラースタッドボルトから約10mmの位置にプラグキャップを
置いてます。
もちろんプラグは刺さっていません、キャップのみです。
この状態で、SP-TDCのテストモードで1・4番のIGコイルを動作させました。
なんとも恐ろしい光景です ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
実際の音を聞くと凄まじい音がしますよ。
できることなら電圧をはかりたいところですが、残念ながらそんな機材がないので推測だけではありますが
想定外の電圧になっているのは確かです。
1mmのギャップに火花を飛ばすには3kV、つまり3000V必要だそうです。
もちろん温度や湿度によって変わるので概ねです。
電圧はギャップの距離に比例するので、10mmのギャップなら30000Vということになります。
ウオタニさんのページによると40000V発生するということなので、ギャップでいうと13.3mmのギャップに
火を飛ばせることになりますね。
で、↑の動画ではマフラースタッドボルトからプラグキャップまで約10mm、さらにプラグキャップの中の
電極まで15mmあります。
つまりギャップは25mm。
25mmのギャップに火を飛ばすには・・・ なんと75000Vにもなります。
火花はバシバシ飛んでいるので、まだまだギャップは離せそうなので推定75000V以上ということになります。
ウオタニのSP2パワーアンプ+SP2パワーコイルで40000Vのところ、
SP-TDC+SP2パワーコイルの組み合わせだと推定75000V以上、実に1.8倍の電圧にもなっているようです。
電圧が高いんだから性能が良いって話ではなく、さすがにここまで高いとノイズはまき散らすし
いたるところに負担がかかるので、よろしくありません。
SP-TDCは、もちろんウオタニSP2パワーコイルを装着することも想定していますが
ノーマルIGコイルだけでも性能が出るように設計したので、こんなことになっていたようです。
実際、実験最中に一度MOS-FETが破損しました。
電流は許容範囲なので、電圧で壊れたと思われます。
使用しているMOS-FETの耐圧は600Vなので、IGコイル一時側の電圧が600V超えることがあると
推測できます。
IGコイル一時側の電圧は350Vもあれば十分なので、これも高すぎます。
25mmも火花が飛ぶとなると、万一プラグコードに亀裂でもあって条件がそろえばどこからでも
火花が出てしまうのでとても危険です。
ということで、ウオタニSP2パワーコイルを装着する場合、逆に電圧を抑える方向で対策を検討しなければいけませんね。
とりあえず、SP-TDC+ウオタニSP2パワーコイルをお使いの方で、さらに昇圧回路を装着することは
おやめください。状態がさらに悪化してしまいます。
さらに検証は続きます(^^)/