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Z1100GP 対策実験成功♪

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Z1100GPは、無事、車検から帰ってきました(^^)/

車検では年式的に騒音試験のみなんですが、せっかくなんでCO、HCも計測してみてもらいましたよ。
インジェクションにしたらどうなるのか見てみたかったんで(笑
ちなみに、平成11年規制が CO 4.5% HC 2000ppm、 平成18・19年規制がCO 3.0% HC 1000ppm
だそうです。
いずれもアイドリング時に排ガステスターでの計測です。
平成11年規制で2stが、平成18・19年規制でキャブ車が絶滅したと言われてますね。
で、このZ1100GPは、CO 6.0% HC 300ppm という値でした。
その場で噴射時間を70μs短くしたところ、CO 7.0% HC 300ppm
逆に70μs長くしたら、CO 8.0% HC 400ppm
という結果でした。
HCに関しては平成18・19年規制も楽々クリアですが、COは平成11年規制もクリアできませんでした。
が、噴射量を変えながら計測してもらった様子を見ると、70μs短くしたのは薄すぎてCOが増えてしまったようでした。
COは噴射量で敏感に変化してたので、セッティングをつめれば平成18・19年規制もクリアできそうでした。
ということで、無事車検もとれたんでウオタニ対策を進めました(^^)
さて、まず原因ですが、↓こちらのIGコイル一次波形をご覧ください。

これはSP-TDCにウオタニSP2コイルを接続したときの、IGコイルマイナス側の波形です。
ちょっとわかりにくいので、模式図にすると↓こうなります。

コイルに通電しているドエルタイムがあって、その後、容量放電、誘導放電と続きます。
容量放電+誘導放電がプラグに火が飛んでいる時間です。
で、問題だったのは容量放電時の電圧です。
SP-TDC+ウオタニSP2コイルの場合、この電圧が高すぎるためにSP-TDCが誤動作を起こし
コイルに通電しっぱなしになることがあり、といっても1秒以内ですが
その結果、ヒューズが飛ぶ、最悪MOS-FETが破損するといったことが起きてました。
しかし、それならウオタニSP2コイルを使ったら必ず症状が出そうなもんですが、
実際に症状が出るのは稀です。
その原因は、容量放電時の電圧変動にありました。
容量放電時の電圧は、IGコイル二次側、つまりプラグコード、プラグ側の状況に大きく左右されてました。
簡単にいうと、プラグにちゃんと火が飛んでいるときは電圧は低くなり、火が飛びにくい、あるいは飛ばないときには電圧が高くなります。
そんなことはわかってはいましたが、予想をはるかに超えた電圧変動がありました。
SP-TDC+ウオタニSP2コイルの場合、MOS-FETの破損の仕方からMOS-FETの耐圧600Vを大きく超える場合があると推測できます。
それだけの電圧になるのは、火が飛びにくい場合だけなので、クランキング時や装着当初の不調なときだけ
症状が出るのも説明がつきました。
ということなので、対策は容量放電時の電圧を抑えればいいことになりますね。
手っ取り早いのは、IGコイルにかかる電圧を下げる、流す電流を少なくすればいいのですが
それでは誘導放電の時間まで短くなってしまい、火花が弱くなってしまいます。
ようするに性能悪化です。
そんなわけにはいかないので、容量放電時の電圧だけをピークカットすることにしました。
↓こんなイメージです。

ここの電圧は300V以上は大差ないことがわかってるし、600Vを超えるとMOS-FETが破損するので
400Vくらいでピークカットすることにしました。
これでノーマルコイルをつないだ場合の性能は落とさずに、ウオタニのような高性能コイルにも対応できます。
これなら電圧も電流も落とさないので、誘導放電には何ら影響ありません。
回路に変更を加えて、ウオタニSP2コイルをMAXパワーで駆動してみました。
今預かってる3XVもウオタニSP2コイルなので、↓このふたつのコイルで実験してみました。
こちらが3XVについていたシングルコードのもの。

↓こちらがZ1100GPのダブルコードのもの。

まずはそれぞれのコイルのドエルタイムを計測しました。
シングルコード。

コイルの持つドエルタイムはなんと5500μ秒もありました。
同じ直流抵抗1Ωくらいのダイレクトイグニッションだと3000μ秒程度なので、いかに容量がデカイかがわかります。
しかもMAX電流は6Aもあります。
ノーマルコイルではドエルタイム5000μ秒、MAX電流3A~4Aくらいです。
ドエルタイムはイグナイターが決めてるので、コイルだけをウオタニに変えた場合ドエルタイムは5000μ秒に
なりますが、それでも5Aは流れるのでノーマルよりはるかに点火力は強いわけですね。
次にダブルコードのもの。

こちらはなんとドエルタイム8000μ秒、MAX電流7.5A!
ドエルタイム5000μ秒時には、やっぱり5Aになってます。
これだけのコイルですから、ノーマルイグナイターでは電流に耐えられず焼けてしまいますし
SP-TDCは電流には十分耐えられるものの、容量放電時の電圧が高くなりすぎて負けていたんですね。
ではコイルの持つドエルタイムいっぱいいっぱいで駆動すればいいかというと、それはかなりのオーバースペックだと思います。
ドエルタイム5000μ秒くらいを想定したコイルじゃないかなと思います。
ダブルコードのコイルをドエルタイム5000μ秒で駆動した波形がこちらです。

このとおり、5000μ秒で駆動しても火花が飛んでる時間は1.8m秒くらいありますね。
ドエルタイム5000μ秒を確保できる最高回転数は6000rpmです。
6000rpmのときには1.8m秒はクランク角64.8度に相当します。
つまり、BTDC40で点火したとしてもATDC24.8まで火が飛び続けることになるので
これで十分ですね。
試しにMAXのドエルタイム8000μ秒でも駆動してみましたが、今度は誤動作することなく動きました(^^)/
ということで、散々めんどくさい話しましたが、ウオタニ対策ができましたヾ(≧▽≦)ノ
机上いじわるテストをこれでもか!ってほどやっても、Z1100GPに装着して何度クランキングしても
いまのところ誤動作はしなくなりました。
といってもまだ心配なので、実走行テストしてついでに初期セッティングもやってみようと思います。
3XVのほうもウオタニだったので解決するまでストップ状態でしたが、こちらも実装・走行テストに入れます(^^)/