0
以前にお送りしたSP-TDC V140 のインジェクションタイプの改修バージョンアップ作業をやってました。
プログラム変更もしますが、回路も電源回路の改修と大気圧センサーの追加があるんで
ケースを開けます。
そんで電子パーツの交換作業をやってたんですが・・・ お?
焦げてる w(( ̄ ̄0 ̄ ̄))w
交換しようと思ったけど・・・
被害は基板にまでおよんでて、放熱用のパターンまで剥げてしまってました。
こうなると基板ごと交換するしかありません。
実はこれ、燃料ポンプの駆動回路なんですが、今までに何度も同じ事例がありました。
これだけ事例があれば、普通SP-TDCの回路に問題があると考えるわけですが、
何度回路定数を計算しても、実際に実験してもこんなふうに焼け焦げることはありません。
こちらでどんなふうに実験しても一度も再現したことはないし、このように焼け焦げてしまったお客さんでも
その後は問題なく動いてます。
もちろん、こんなことにならずに正常稼働してる方も多数おられます。
そんな状況から、SP-TDCの回路に原因があるとは考えにくく、燃ポン取付のときだけに
何か起きてると考えられます。
SP-TDCとしては、最悪でもこうならないように保護回路を設けることはできるけど
それでは根本的な解決にはなりません。
再現しない以上、推測の域はでないわけですけど、電気回路はほぼ計算どおりの動作をするんで
このパーツが焼ける条件を考えれば、おおよその状況はわかります。
事例が発生したときには、どんな状況かお聞きしてるんですが、
どの状況も電気的には矛盾があるものばかりでした。
原因を探るために、配線はどうか、燃ポンの取り付けはどうか、作業手順は・・・ となるわけですが
この手の話はヒジョーにやりにくいです(^_^;)
ということで、現状では推測でしかありませんが、こんな状況だったのではないかってことを
書いてみますので、是非とも取付の参考にしてもらえればと思います(^^)
まず、燃料ポンプのターミナルはこんなふうになってるものがほとんどです。
マイナスと燃料ポンプ筐体が導通があるというお話も聞きますが、こちらで確認したことがある燃料ポンプでは
導通があるものは見たことがありません。
ターミナルと筐体はプラスもマイナスも絶縁されています。
んで、こちらが推測したのは↓こうなってるんではないかと思います。
配線が何らかの理由でターミナルの真ん中の筐体に接触してしまい、プラスとマイナスが
直結になってしまうのではないかと思います。
もし、燃料ポンプを固定するために筐体が車体アースと導通がある状態なら
過電流が流れヒューズが飛ぶはずです。
ただ、固定金具がラバーマウントみたいな感じで、燃ポン筐体が車体アースされない場合は
プラスから来た電気は、燃ポン筐体でバイパスされマイナス側に流れていきます。
マイナス側がSP-TDCにつながるわけなので、この状態だとSP-TDCの燃ポン回路に
バッ直でつないだことになります。
そうすると、焼け焦げた電子パーツに直接バッテリーを繋いだ状態になります。
実は、こうしない限り焼け焦げることはないんです。
セルモーターなんかをつなげれば焼けますが、そんな間違いをするわけないですよね(笑
もちろん、セルモーター並みに電気をつかう燃ポンも無いと思います。
構造上、O型の端子で接続すると思うので、ここに接触してしまうというのはあり得ないことではないですね。
やる人はいないとは思いますが、配線の被膜をむいてダイレクトに巻きつけたりしたら
接触する可能性は大なので、絶対にしないでください。
V120だと燃料ポンプによっては発熱してしまうことはありましたが、V140は10Aくらい流しても
ほんのり暖かくなるだけです。
焼け焦げてしまったお客さんの中で、実際に使ってた燃料ポンプまでお送りいただいたことも
あるんですが、それでも暖かくなることもなかったんで、たぶんこういう状況があったのではないかと
思います。
インジェクション化された方は、是非、燃料ポンプのターミナルを確認してみてくださいね(^^)
最悪 焼けてしまった場合でも、本体をお送りいただければもちろん修理します(^^)v