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ビッグマッハのSP-TDCが出来るまで♪" /> 今回のSP-TDCは、KAWASAKI 750SS H2 です(^^)b
こちらのお客さんは、以前にUSBオシロをご購入頂いてまして、
SP-TDCを注文しようと思ったら、V140に変わってた( ̄◇ ̄;)エッ というお客さんです。
エンジンを制作中で、ようやく動くようになったのでSP-TDCをご注文頂いたとのことです♪
マッハは以前に えっちゃんマッハをやったことがあるんですが、
えっちゃんマッハは500SSでポイント式でした。
今回の750SS H2 は3ピックアップのようです。
お~ w(( ̄ ̄0 ̄ ̄))wワオッ!! ド迫力なエンジンですね♪
ピックアップ部が違うので、今回もカスタム制作になりました。
見たことはないですが、マッハはこの他にもデスビが付いたタイプもあるようで
なかなか対応車種にすることができません(^^ゞ
カスタム制作だと、お客さんに調べて頂くことが多いんですが、
こちらのお客さんは、ヒジョーに素直に作業をやって頂いたので、とってもスムーズでした(^^)
いたってこちらが納期を遅らせております(ーー゛)
ということで、カスタム制作の場合の参考になればと思いまして、制作までの過程をご紹介します♪
カスタム制作で一番重要なのは、ピックアップ部をどうするかの検討です。
今回のオーダーでは、ピックアップコイルに替えがないので、できれば現代のものを使いたいとのことでした。
もともと3ピックアップなので、ゼファー等のピックアップコイル1個に変更して、
7突起ローターを制作すればいけるかなってことで、設計のために現物を送っていただきました。
とても42年前のバイクとは思えないピックアップ廻りですねw(( ̄ ̄0 ̄ ̄))wワオッ!!
今のバイクと何ら変わらない感じです。
が・・・ ここで問題発生。
ピックアップコイルの下にあるのは、ジェネレーター(発電コイル)です。
これ、ポイント式の2stでは典型的なレイアウトなんですが・・・
このレイアウトは、ジェネレーターの影響をモロに受けてしまうので、ピックアップコイルを使うのは
難しいはず。
上の画像の中央に見えるフィンがついてるものが問題なんです。
これですね。
これは、発電のための磁石になってます。
この上にピックアップローターが載るので、発電波形がそのままピックアップコイルに載ってしまうのです。
こういう状態です。
それなのに、なんでノーマルはちゃんと動いているんでしょうか。
秘密は、ピックアップローターにありました。
なんでこんなにゴツイのかと思ったら、ローターも永久磁石になっていました。
普通ローターはただの鉄板で、ピックアップコイル側が磁石になっています。
ローター側が磁石になってるってことは・・・ ピックアップコイルには磁石が入っていません!
磁石がないピックアップコイルは初めてみました。
ローター側を磁石にすることで、発電コイルの影響を抑えているんですね。
なるほど~♪
がしかし!
これと同様に磁石が入った7突起ローターを制作するには大枚がかかってしまいます orz
また、現代のピックアップコイルで磁石のないものはありません orz
ここは度胸一発、ノーマルのピックアップコイル&ローターを使用して
SP-TDCのプログラムをノーマル合わせすることを提案させてもらいました。
ノーマルでも正常に動くならということで、ご了解頂きました。
では、ノーマルのピックアップ波形がどうなっているのか、お客さんに計測して頂きました。
ここでUSBオシロの出番です(^^)b
1回目、キック時、アイドリング時、3000rpmくらい、5000rpmくらいの波形計測です。
まずキック時。
お~~~♪
キックでこんなドンピシャな計測するのは結構難しいのに、素晴らしい波形ですね♪
始動時は波形が小さいので、V140からは始動時と動作時の検出電圧を変えました。
2段階定額みたいになってます。
これは電圧は十分に出ているようですね。
キック時は、発電コイルの影響も無いようです。
ただ、プラス側とマイナス側の電圧が違いますね。
これは、ノーマルCDIの回路の影響です。
プラス側だけ小さくなっているので、ノーマルCDIはプラス波形だけを使っているのがわかります。
次にアイドリング。
計測レンジが違うので小さく見えますが、キック時の1.5倍くらいの電圧です。
少し発電コイルの影響が出始めてるようですが、このレベルなら問題なさそうですね。
プラス側の波形の乱れがちょっと気になります。
それから3000rpmと5000rpm。
ん~ 残念、 ちょっと細かすぎてよくわかりません。
ただ、発電コイルの波形がだいぶ大きく出てるのはわかります。
ということで、2回戦目の計測をお願いしました。
今度はサンプリング周期を短く100μsにして計測して頂きました。
3000rpmです。
今度はよく見えます♪
プラス側は1.5Vくらいでカットされてますね。
サイリスタが直結されてるのかな?!
ということは、プラス側のノイズみたいな乱れはノーマルCDIによるものかな。
だとしたら問題はなさそうですね。
また、サイリスタが直結ということは、ノーマルではほぼ固定進角なはず。
42年前の2stですから、固定進角は典型的ですね。
ということは、SP-TDCの効果は絶大なはず( ̄∀ ̄*)イヒッ
んで、5000rpm。
発電コイルの影響がだいぶやばい感じになってきました。
検出電圧は高めに設定したほうが良さそうです。
ここまでで、プラス側の波形が小さいし乱れているのはノーマルCDIの影響という仮説ですが、
最後にそれを確認します。
ということで、3回戦目の計測です。
ピックアップコイルの配線を外し、コイル単体の波形をとってもらいました。
ノーマルCDIは外すのでエンジンはかかりません。
キック時の波形をお願いしました。
お見事!!!
なんと! サンプリング周期は最短の50μs!
これでど真ん中に波形をもってくるなんて、キック何十回したことか(笑
コイル単体の波形は、プラス側マイナス側がほぼ同じになっているので
これで今までの仮説は正しかったことがわかりました。
これでデータは揃ったので、回路&プログラムの制作です。
ピックアップコイルはノーマルを使いますが、使い方は全然違います。
左シリンダー用のコイルを回転の起点として使い、センターと右シリンダーは角度センサーとして使います。
点火順序はL→R→C(センター)ですね。
SP-TDCの回路は、ピックアップ入力回路を3ピックアップを入力できるように変更しました。
あと、プログラムでいつもと違うのはドエルタイムの計算です。
2st3気筒なので、ドエルタイムを最大で1/2回転とすると、2個のコイルに同時に通電する期間が
できてしまいます。
これまでの経験上、同時に2個のコイルに通電すると電圧低下を引き起こす場合が多いので、
同時に2個通電しないように最大で1/3回転としました。
高回転でドエルタイムが不足しますが、電圧が低下するより良いはずです。
これは高性能なイグニッションコイルほど顕著に出てきます。
今回のH2も、これはウオタニ製かな。
これならもともとドエルタイムは短いので、最大ドエルタイム1/3回転のほうが良い結果が出るはずです。
ということで、くるくる3号も3ピックアップでテストです♪
1発OK♪
・・・とは いかないもんです(笑
やっぱりピックアップ信号が変わると、色々と調整が必要でなかなか大変です(^^ゞ
それでもやっと本日チェックOKとなりまして、
散々お待たせしましたが、めでたく出荷とあいなりました♪
さて♪ ジャジャ馬マッハ しかも最大排気量のH2がどんな感じになるでしょうか(^^)
ちまたのウワサでは、
1発でエンジンがかかるようなのはマッハではない( ̄ヘ ̄)
安定したアイドリングなどマッハではない( ̄ヘ ̄)
というコダワリもあるようですが(笑
こんなのはマッハではない! となることを期待してます( ̄∀ ̄*)イヒッ
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