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インジェクションの噴射タイミング

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めっきり寒くなってきましたが、みなさま いかがお過ごしでしょうか(^^)
こちらは相変わらず体調がすぐれず、思うように仕事がはかどらない毎日ですが
なんとか頑張って制作してます(^^ゞ
 
さて今回は、インジェクションの噴射タイミングについて書いてみようと思います(^^)b
 
実はあるお客さんからのお問合せがきっかけで、大きな間違いが発覚しました( ̄□||||ガーン!!
SP-TDCのインジェクション制御はシーケンシャルですので各気筒独立のタイミングで噴射しています。
その順序は、4気筒の場合1-3-4-2でプログラムしてあるんですが、
カワサキZ系のお客さんから、カワサキZ系は1-2-4-3なんだけどどうしたらいいでしょう?
とお問合せを頂きました。
 
えっ(@_@;)  カワサキZ系は1-2-4-3???(@_@;)
 
今までずっとカワサキZ系も1-3-4-2だと思ってました( ̄□||||ガーン!!
 
ご存知のとおり、SP-TDCは現車を見ることなくお客さんからの情報をもとに制作しておりまして
最初に依頼があったカワサキZで1-3-4-2だと思い込んでしまいました。
ちゃんと調べろよ! と自分でも思いますが、お客さんからの情報提供で実現できてる価格ですので
そこまでやっちゃったらとてもこの価格では販売できません。
その辺、なにとぞご容赦くださいm(__)m
 
対策としては2番3番のインジェクタカプラを入れ替えるだけでいいのですが、
2番3番が入れ替わっていても、今まで何台も稼働していて、ほぼキャブ以上の性能が出ています。
 
なかなか実車を見ることができないこちらとしては、このことは怪我の功名でかなり有益な情報です(^^ゞ
ということで、噴射タイミングに焦点をあてて書いてみたいと思います。
 
SP-TDCのインジェクション制御は、一般的な制御とは全く違いまして
完全なガラパゴス状態です。
ガラ携ならぬ ガラECU? 
なんか中身がからっぽなECUみたいですね(笑
ちゃんと中身はつまってますのでご心配なく。
 
前置きが長くなっちゃってますが、SP-TDCでの噴射は例えば1200rpmだとこんな感じになってます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
シーケンシャル噴射ですので、各気筒2回転に1回の噴射になってます。
噴射量の設定は、インジェクタの動作時間で設定してまして、無効噴射時間1000us 噴射時間5000usだと
合計6100usとなります。
この6100usという噴射時間は、V120でもV140でも現プログラム上のほぼMAX噴射時間です。
プログラムで制限しているだけですので、もっと噴射することはできますが
今は動作上の諸事情でこの値に制限しています。
 
1200rpmだと上図のように圧縮工程のわずかな時間だけの噴射になります。
アイドリング付近で最大噴射量を吹くことはあり得ないと思われるでしょうが、
ここはSP-TDC独特のところで、アイドリングからポンとスロットルを開けた時に最大負荷になることが
あります。
うまくマップを書くとちょうど加速ポンプのようになるんですが、これがなかなか難しい(^^ゞ
 
ところが、同じ6100usの噴射時間でも、10,000rpmになるとこうなります。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
同じ噴射時間でも圧縮工程から排気工程まで噴射することになります。
 
実はここだけ私の経験不足で、ごく一般的なインジェクション制御のセオリー通りな部分で
燃料噴射は吸気バルブが閉じているときに行うということになっています。
これは、吸気バルブにむけて噴射し、吸気バルブの熱で気化を促進するということらしいです。
ただこれはインジェクション制御の一般論でして、現行のインジェクション車がこのようになっているとは
考えにくいなぁと思っています。
 
確かにアイドリングの安定度はキャブの比ではないので、間違った理論ではないと思います。
でも理論上、SP-TDCは燃調マップだけで加速増量のようなことができるはずなのに
実際はなかなかうまくいきません。
これは、この噴射タイミングになにか秘密があるんじゃないかと思っています。
 
では今回問題の2番3番を入れ替えるとどうなるか・・・
1200rpmだとこうなります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
圧縮工程ではなく、排気工程で噴射してることになります。
ただ、これでも吸気バルブが閉じている期間には変わりないわけですね。
実際、お客さんからの情報によると、2番3番が入れ替わっても体感できるような差は
感じられないとのことでした。
 
高回転で最大噴射時間に近くなった場合のみ、吸気バルブが開いている期間にも少し噴射することになります。
走行中のほとんどは吸気バルブが閉じている間に噴射していることになります。
このことから、吸気バルブが閉じている期間に噴射する場合、どこで噴射しても大差ないということですね。
 
実は、最大噴射時間を制限しているのはセオリー通りに吸気バルブが開いているときには
噴射しないためなんです。
12000rpm程度のときに圧縮~排気の間に噴射が終わるような時間が、概ね6000usなんですね。
 
ところがこのセオリー、今までの経験から結構疑問を持っています。
Z750GPのような昔のインジェクション車は4気筒とも同時に噴射してますし、
グループ噴射という制御もありまして、吸気バルブのタイミングと無関係に噴射しても何ら問題ありません。
 
実際にインジェクション制御をやってみても、噴射って意外と大ざっぱなもんだなぁって印象です。
じゃあ大ざっぱでいいのかというと、そんなことは無い(笑
現にキャブより数段上の性能にはなりますし、繊細な部分も多々あります。
 
ということで、吸気バルブが閉じているときに噴射するべし というのを忠実に守ってきたわけですが
今回の2番3番の順番間違えがかなりのヒントになりました。
全く別の加速増量効果が効きにくいということにも関係がありそうです。
 
これでまたSP-TDCのさらなる進化につながりそうです♪
でも まずはお待たせしているみなさんのSP-TDCを作らなきゃ(^_^;)
 
 
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